海外の企業と取引をする際に必要となるのが契約書の翻訳です。日本語の契約書を他言語に翻訳するためには、日本と海外の契約書の違いを知った上で、言語以外に法律の知識も必要となってきます。
専門的な知識が必要となる契約書の翻訳は、翻訳会社などのプロに依頼をするのがおすすめです。
この記事では、契約書翻訳にかかる目安料金やプロに翻訳を依頼した方が良い理由などを解説します。契約書の翻訳を翻訳会社に依頼をしようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
翻訳会社マイスターでは翻訳会社22社で徹底比較を行い「品質重視」「コスパ重視」「価格重視」の3つの視点からおすすめの翻訳会社を選定しました。翻訳会社選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
契約書翻訳の料金
契約書の翻訳では、翻訳会社は文字単位で料金が決まっており、法律事務所は文字単位やページごとなど事務所によって異なります。ここでは翻訳会社に依頼をした場合の契約書翻訳にかかる具体的な料金について紹介します。
和英翻訳の目安料金
世界共通語とされる英語に翻訳をする場合が多いため、和英翻訳の目安料金を紹介します。あくまでも目安料金であり、翻訳を決めたら翻訳会社に見積もりを取ることをおすすめします。
和英翻訳の目安料金は1文字14円程度です。依頼をする翻訳会社や文字数によって料金は若干異なります。また、オプションでリーガルチェックなどを付けると料金が上がります。
翻訳会社によってはミニマム翻訳料金の設定があり、最低依頼価格が決まっています。例えばミニマム翻訳料金が5000円の場合、5000円を下回る文字数の依頼の場合は一律5000円の支払いになります。
言語による料金の違い
英語以外の言語に契約書を翻訳する場合の料金は、選ぶ言語によって異なります。どの言語も和英翻訳と同様にほとんどの翻訳会社がミニマム翻訳料金を設定しているので、注意をしてください。
また、和英翻訳と違い会社数が少ないのも特徴です。競合が少ないため、選ぶ会社によって値段が大きく異なる可能性があります。できるだけ数社は見積もりを取ることをおすすめします。
翻訳言語 | 目安文字単価 |
---|---|
日本語から英語 | 1文字14円~ |
日本語から中国語 | 1文字10円~ |
日本語からフランス語 | 1文字22円~ |
日本語からスペイン語 | 1文字15円~ |
契約書に対する日本と海外の違い
契約書を翻訳する前に、日本と海外の契約書では言語以外に表現や内容に違いがあることはご存知でしょうか。日本と海外に分けてそれぞれの契約書の特徴を紹介します。
【日本】性善説・曖昧な表現が多い
日本の契約書は同じ価値観があり、信頼関係の上になりたっているため内容を事細かく記載しません。契約書の中には「問題が発生した場合は協議し解決する」といった内容の文言も出てきます。
相手を信頼して、何か問題が起きれば話し合って解決をする、という性善説をもとにした契約書が一般的です。もちろん重要な内容は盛り込まれていますが、海外の契約書と比較すると曖昧な表現が多くなります。
【海外】性悪説・詳細な内容
海外、特にアメリカでは契約書の内容は詳細に決めます。日本人から見れば、そこまで決めなくてもという内容まで盛り込むため、どんな契約書でも日本と比較すれば分厚いものになります。
アメリカの場合はトラブルが起きる前提の性悪説で契約書を作成します。これはアメリカ以外のイギリスや中国などその他の国も同様です。国際取引の場合は、性悪説にもとづき内容を詳細に決める必要があります。
契約書翻訳における翻訳会社と法律事務所の違い
契約書翻訳の外注先として、翻訳会社と法律事務所があります。この2つの違いは言語のプロに依頼をするのか、法律のプロに依頼をするのかです。
翻訳会社は翻訳の仕事を中心としているため、契約書以外の翻訳や英語以外の多言語に対応をしていることがあります。そのため、1社で行えることが多く、柔軟性があります。
心配とされる法律については、ほとんどの翻訳会社では専門家によるリーガルチェックを依頼することができます。言語のプロであり柔軟性のある業務内容で、法律にも対応できるのが翻訳会社です。
法律事務所は法律のプロである弁護士が直接契約書の翻訳をします。実際に法律の実務に関わっている弁護士の翻訳なので、法律面の内容は安心することができます。
しかし、専門性が高いため費用が高く、英文のみなど多言語に対応をしていない場合が多いのがデメリットです。英文の契約書で高価になっても良い場合であれば、法律事務所も契約書翻訳の選択肢の1つです。
依頼する前に確認したい3つのポイント
翻訳会社に依頼をする前に確認したい3つのポイントがあります。大切な契約書の翻訳を失敗しないために必要な情報なので、ぜひ参考にしてください。
①トータルコストと内容
契約書の翻訳にかかる料金は、文字単価以外にオプションや修正・チェックなどがあるためトータルコストの把握が大切です。
ホームページ上で文字単価が安いからと1社に決めるのではなく、数社に見積もりを取るのがおすすめです。
また、契約書の翻訳は料金だけで選ぶと失敗をすることがあります。どんな翻訳者が翻訳をするのか、リーガルチェックやネイティブチェックはあるのか、など翻訳の内容について確認をしてください。
②セキュリティ対策は万全か
企業にとって大切な契約書の情報流出を防ぐために、翻訳会社のセキュリティ対策をチェックする必要があります。
翻訳会社のホームページで、セキュリティ対策について詳しく記載されている会社が信頼できます。セキュリティポリシーやウイルス対策など詳しく確認しましょう。
翻訳後のデータの保管についても、長期間保存をせず短期間、もしくは翻訳が完了後に削除をする会社の方が安心です。
③会社の信用性
依頼をする翻訳会社の信用性の高さは重要なポイントです。契約書に関して実績があるのか、翻訳チェックのやり方やリーガルチェックがあるのか、など疑問な点は全て質問をするようにしましょう。
翻訳者の質も翻訳会社の信用性にとって重要です。どのような翻訳者が所属しているのか、というのも依頼前に確認をするのがおすすめです。
契約書翻訳をプロに依頼した方が良い2つの理由
契約書を翻訳する手段として自社で行ったりツールを利用したりと方法はありますが、翻訳会社などプロに依頼をした方が良い理由があります。いくつも理由はありますが、ここでは特に重要な2つの理由について紹介します。
①翻訳ミスによるリスク回避
契約書の翻訳ミスや翻訳が不十分だった場合に、会社がリスクを負うことになります。日本語の契約書のまま他言語に翻訳しただけでは、契約書の内容が曖昧で裁判になった時に不利です。
実績のある翻訳会社に依頼をすれば、翻訳ミスや不十分な翻訳が起きないように翻訳をされてチェックが行われます。信頼できるプロに依頼をすることで契約書の翻訳を完璧に近づけ、不要なリスクを回避することができます。
②リーガルチェックができる
翻訳会社に依頼をすると、オプションでリーガルチェックを行うことができます。法律面に不安がある場合は、リーガルチェックを受けた方が安心です。
自社やツールではできないリーガルチェックは、翻訳会社や法律事務所の強みです。海外取引に詳しい専門家のチェックを受けることで、翻訳された契約書の質がさらに向上します。
リーガルチェックを依頼すれば料金は上がってしまいますが、国際取引でのリスク回避と思えば必要な出費だと感じるはずです。
契約書翻訳の料金などを知った上で依頼をしよう
契約書翻訳は言語だけではなく法律の知識も必要なので、翻訳会社などプロに依頼をするのがおすすめです。
翻訳の料金は文字単価以外にミニマム翻訳料金、リーガルチェックなどオプション追加で大きく変わります。見積もりを取り料金を確認した上で依頼をしましょう。
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