ビジネスシーンでタイ企業とのやり取りやマニュアル翻訳などで、タイ語翻訳が必要となるときがあります。そんなときに、どこに依頼をすればいいのか、翻訳の料金はいくらなのかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、タイ語翻訳において翻訳会社を選ぶときに大切な3つのポイントをあげて、オススメの翻訳会社を紹介していきます。
- 翻訳の分野は専門的か
- 文章は社内向けか社外向けか
- 継続的に翻訳が必要になるか
翻訳前に知っておきたいタイ語の特徴や翻訳依頼時の注意点なども解説していきますので、おすすめの翻訳会社を知りたい人はぜひとも参考にしてみてください。
翻訳会社マイスターでは翻訳会社22社で徹底比較を行い「品質重視」「コスパ重視」「価格重視」の3つの視点からおすすめの翻訳会社を選定しました。翻訳会社選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
タイ語翻訳におすすめの翻訳会社5社一覧表
WIPジャパン | 翻訳センター | ブレインウッズ | トランスワード | ACN | |
料金 (日本語⇒タイ語) | 問い合わせ | 問い合わせ | 1文字18円~ | 問い合わせ | 1文字25円 |
料金 (タイ語⇒日本語) | 問い合わせ | 問い合わせ | 1文字20円~ | 問い合わせ | 1文字30円〜 |
品質 | 翻訳意図の丁寧な説明あり | 納品後のアフターサービスが徹底 | 徹底した進捗、品質体制を用意 | 大部分を自社の翻訳者で行うことにより、品質とスタイルを統一 | 学位所有の翻訳者300名以上在籍 |
スピード | 4営業日以内 | 不明 | 不明 | 3営業日以内 | 1週間後 |
実績 | 取引企業数:累計約7,000社 | 取引企業数:累計約4,400社 | 取引企業数:年間1,000社 | 国内外の企業などと多数実績あり | 取引企業数:約80社(HP掲載企業のみ集計) |
知名度(検索数) | 170 | 2900 | 390 | 0 | 10 |
翻訳言語数 | 139ヵ国語 | 80ヵ国語 | 12ヵ国語 | 10ヵ国語以上 | 19ヵ国語 |
総合評価 | フォローアップが丁寧! | 知名度はあるが費用感は合わない | 単発の依頼は難しい | ある程度翻訳依頼に慣れている人向け | 初めての翻訳依頼となると少し物足りない |
タイ語翻訳におすすめの翻訳会社5選
今回は、タイ語翻訳を依頼するのにおすすめな5つの翻訳会社をご紹介します。料金や品質はもちろん、これまでの実績や担当者の対応などを総合的に評価して作成したランキングです。どの会社も、品質やコスパに優れた会社ばかりですよ。
1.WIPジャパン
料金(日本語⇒タイ語) | 問い合わせ |
料金(タイ語⇒日本語) | 問い合わせ |
品質 | 翻訳意図の丁寧な説明あり |
スピード | 4営業日以内 |
実績 | 取引企業数:累計約7,000社 |
知名度(検索数) | 170 |
翻訳言語数 | 139ヵ国語 |
総合評価 | 担当者のフォローアップが丁寧に行われており、初めての翻訳でも安心 |
会社説明
翻訳会社「WIPジャパン」は、英語圏や欧州語圏からアジア・アフリカまでをカバーするグローバルネットワークを駆使して、世界139言語への翻訳サービスを提供しています。また、リサーチ業務は210カ国で対応可能です。
同社では全言語でネイティブ翻訳者を採用しており、翻訳試験をはじめとする厳しい審査に合格したプロの翻訳者が翻訳を行っています。バンコク語・南タイ語・北タイ語など、地域によって方言が異なるタイ語においては、ネイティブ翻訳者は必須と言えます。
翻訳できる分野も多岐にわたり、高度な言語力だけでなく、専門性も兼ね備えたプロの翻訳者が多数在籍しており、最もおすすめできる翻訳会社です。
WIPジャパンの口コミ
今回の依頼はとにかく時間がなくて、本来であれば、ネイティブによる品質チェックが入るとのことでしたが、間に合わないのでその工程を割愛していただきました。訳文をもとに現地スタッフが翻訳をするので、その段階で品質チェックができるため省いていただいたのですが、そうした結果、翻訳いただくデータを渡してから、翌々営業日に納品という短納期が実現して本当に助かりました。こちらの要望に臨機応変に対応いただけて、ありがたかったです。それも予定されていた時間よりも2時間早く納品されたので驚きました。
引用元:WIPジャパン公式HP お客さまの声
2.翻訳センター
料金 (日本語⇒タイ語) | 問い合わせ |
料金 (タイ語⇒日本語) | 問い合わせ |
品質 | 納品後のアフターサービスが徹底 |
スピード | 不明 |
実績 | 取引企業数:累計約4,400社 |
知名度(検索数) | 2900 |
翻訳言語数 | 80ヵ国語 |
総合評価 | 知名度はあるが費用感は合わない |
会社説明
翻訳センターは、80ヵ国語の翻訳に対応している業界屈指の知名度を誇る翻訳会社です。
アジア地域では、中国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語などに対応しています。対応できる翻訳分野を、医薬、特許、工業・ローカライゼーション、金融・法務という4つのカテゴリーに区分し、それぞれの分野に自社のエネルギーを集中させることにより、付加価値の高い翻訳サービスが提供可能です。
同社の企業理念は、「産業技術翻訳を通して、国内・外資企業の国際活動をサポートし、国際的な経済・文化交流に貢献する企業を目指す。」であり、これに沿って言葉に関するサービスを展開しています。初めて翻訳を依頼する方でも丁寧に対応してもらえるので、おすすめできる翻訳会社です。
翻訳センターの口コミ
納期が予定よりもかなり早く仕上げていただいたのでよかったです。
引用元:翻訳センター公式HP お客様の声
3.ブレインウッズ
料金 (日本語⇒タイ語) | 1文字18円~ |
料金 (タイ語⇒日本語) | 1文字20円~ |
品質 | 徹底した進捗、品質体制を用意 |
スピード | 不明 |
実績 | 取引企業数:年間1,000社 |
知名度(検索数) | 390 |
翻訳言語数 | 12ヵ国語 |
総合評価 | 単発の依頼は難しい |
会社説明
ブレインウッズは、2000年設立の比較的歴史の浅い会社ですが、高い品質の翻訳を低価格で提供している翻訳会社として高く評価されています。
翻訳の分量や内容によっては、特急仕上げや即日納品にも対応するなど、クライアントの要望に寄り添ったサービスを目指しています。翻訳サービス以外では、英語研修サービスやオンライン通訳・同時通訳などの通訳サービスにも注力しており、世界中の翻訳者とグローバルに繋がっている点が特徴です。
ただ、多くの取引企業を抱えるだけあって、単発の依頼については受けてもらえない場合があります。継続的に依頼する場合の候補として、検討するとよいでしょう。
ブレインウッズの口コミ
とても短期間で、質の良い翻訳をしていただきました。対応もよく、ありがとうございます。
引用元:ブレインウッズ公式HP お客様の声(医療教育会社)
4.トランスワード
料金 (日本語⇒タイ語) | 問い合わせ |
料金 (タイ語⇒日本語) | 問い合わせ |
品質 | 大部分を自社の翻訳者で行うことにより、品質とスタイルを統一 |
スピード | 3営業日以内 |
実績 | 国内外の企業などと多数実績あり |
知名度(検索数) | 0 |
翻訳言語数 | 10ヵ国語以上 |
総合評価 | ある程度翻訳依頼に慣れている人向け |
会社説明
トランスワードは、社内常駐の翻訳者が案件を担当するシステムで高品質を保証する翻訳会社です。これにより、翻訳の品質や文書スタイルに統一性が出ると高い評価を得ています。
社内翻訳の採用により案件に機動的に対応できるため、短納期の依頼にも応えられる体制が整っています。また、同社では品質保証のために3段階チェックを導入しており、どのような依頼でも一定の品質を作り上げることが可能です。
ただ、見積依頼には機械的な対応なため、初めて依頼する人にとっては、ややハードルが高いかもしれません。翻訳の依頼に慣れている人は、検討してみてはいかがでしょうか。
トランスワードの口コミ
Q.翻訳の品質について教えてください。
A.Correct(正確)、Specific(具体的)、Plain(理解しやすい)、Consistent(一貫性)が当社の翻訳スタイルです。具体的には以下文献の内容を実践しています。
・『スタイルガイド』アルファベータ 米国国防総省が刊行の軍用規格”Technical Writing Style Guide”の全訳
・『ANSI製品取扱説明書作成ガイドと安全標識・警告ラベル』日本規格協会ANSI(米国規格協会:American National Standards Institute)による基準書
・『The Chicago Manual of Style』The University of Chicago Press 英語の文法と語法についての包括的参考書
・『工業英検1級対策』日本工業英語協会
・『テクニカルライティングと技術翻訳の秘訣』トランスワード
・『技術を学ぶ翻訳者養成講座翻訳技術編』トランスワード
・『技術を学ぶ翻訳者養成講座工業技術編』トランスワード
引用元:トランスワード公式HP よくある質問
5.ACN
料金 (日本語⇒タイ語) | 1文字25円 |
料金 (タイ語⇒日本語) | 1文字30円〜 |
品質 | 学位所有の翻訳者300名以上在籍 |
スピード | 1週間後 |
実績 | 取引企業数:約80社(HP掲載企業のみ集計) |
知名度(検索数) | 10 |
翻訳言語数 | 19ヵ国語 |
総合評価 | 初めての翻訳依頼となると少し物足りない |
会社説明
ACNは、論文翻訳・技術翻訳を中心にサービスを展開する翻訳会社で、2000年に設立されました。
取り扱い分野は、法律・経済系から化学・物理学などの科学系、医学・薬学などの医療系までカバーしており、その中でも特に医療系の分野に強みを持っています。クライアントの多くは大学などの高等教育機関であり、和英・英日翻訳とネイティブによる英文校正が事業の柱です。これに加えて、忙しい研究者を支援するための「論文投稿サポート」サービスも行っています。
翻訳作業は、それぞれの分野において修士または博士の学位を取得しており、かつ海外ジャーナルへの投稿経験があるプロの翻訳者が担当します。同社は300名以上の翻訳者を抱えており、個々に最適な翻訳者をチョイスすることが可能です。
ACNの口コミ
翻訳者は専門の学問を履修したネイティブです。仕事は迅速で、私の質問や疑問に対しても親切に応えてくれます。スタッフの方の対応も大変良好で、その点についても私は満足しています。
引用元:ACN公式HP お客様の声
タイ語翻訳の目安料金
翻訳会社名 | 日本語からタイ語(1文字当たり) | タイ語から日本語(1文字当たり) |
---|---|---|
ブレインウッズ | 18円~ | 20円~ |
NAIway | 19円~ | 16円~ |
クリムゾンインタラクティブ・ジャパン | 20円~ | 24円~ |
比較的翻訳料金が安い言語です。3社紹介しましたが、会社ごとに1文字当たりの料金が異なるのが分かります。翻訳ではコストが翻訳品質と比例するため、料金だけで翻訳会社を決めるのは危険です。
また、最低受注額が定められている場合や、オプションを追加すると追加料金がかかる場合があります。
1文字当たりの料金計算をしている会社が多いですが、中には文書1枚いくら、という形式の料金を定めている会社もあります。気になる会社があれば、まずは見積もりを取ることをおすすめします。
タイ語翻訳で気を付けたい3つのこと
レイアウト上のトラブルなど気を付けたいことが3つあります。翻訳依頼前にぜひ確認してみてください。
①レイアウト上のトラブル
44の子音からなるタイ文字を使用します。タイ文字は日本語やラテンアルファベットと表記が全く異なるため、レイアウト上のトラブルが起きやすいのが特徴です。
増える文字数に合わせる必要があるレイアウトや改行位置など、特に気を付けたいレイアウト上の3つのトラブルについて詳しく解説していきます。
増える文字数に合わせたレイアウト
文字数に合わせたレイアウトが必要になるときは、日本語から訳す場合です。日本語をそのまま翻訳すると、文字数が増えてしまいます。
そのため、日本語の文字数に合わせたレイアウトのままでは、仕上がり後のレイアウトが崩れる原因になってしまいます。
改善方法としては、日本語の段階で文字数が増えることを予測して文字の後ろに余白を作っておくことがおすすめです。対応が難しい場合は、レイアウトの調節まで翻訳会社に依頼すると安心です。
改行位置で意味が変化する
日本語ではどの位置で改行をしても意味が通じますが、改行する位置によって単語の意味が変わってしまいます。
例えば「お湯」は”น้ำร้อน”ですが、この単語は「水」と「熱い」という2つの単語の組み合わせでできています。そのため、途中で区切るとお湯という意味ではなくなってしまうのが分かります。
水=น้ำ
熱い=ร้อน
น้ำ+ร้อน=น้ำร้อน(お湯)
このように単語の途中で改行すると意味が変化します。翻訳会社にレイアウトまで依頼する場合は問題ありませんが、翻訳会社から返却された翻訳文書を編集する場合は、改行位置に注意をしてください。
フォント・行間の設定ミス
フォントと行間の設定ミスに注意が必要です。対応していないフォントを使うなどフォントの設定ミスは、文字化けなど正常に表記されない原因になります。
行間が狭すぎるなど行間の設定ミスでは、声調記号が正常に表記されなくなり、単語の意味自体が変わってしまう原因になります。
例えば、日本語は”ภาษาญี่ปุ่น”と表しますが、このように声調記号が上下に付くことがあります。行間が狭いと上下についた声調記号が重なるなどして正常に表記されない恐れがあるため注意が必要です。
②契約書の作成は英文の場合も多い
実はタイで使用される契約書では、英文で契約書を作成する場合も多いのをご存知でしょうか。そのため、タイにある企業との取引などで使用される契約書を作成する場合は、必ずタイ語である必要はありません。
取引をする企業によって契約書の言語は英語になるケースもあるため、翻訳を検討する前に確認をしてみましょう。
しかし、裁判所などに提出する際は、英文で作成した契約書のタイ語翻訳の提出を求められる場合もあります。
タイ企業と英文契約書を結ぶ場合、契約書以外にタイ語の翻訳が必要なことがあります。その際は、法務関係の英語翻訳に対応している多言語翻訳会社に依頼をすると便利です。
③翻訳後の仏歴表記
日本で西暦以外に元号が使用されているように、タイには仏歴という年の数え方があり、幅広く使われています。プロに依頼すると、西暦の部分が仏歴に直されていることがあります。
西暦2000年=仏歴2543年
上記のように西暦と仏例は全く数字が異なるため、翻訳後の文書を見て誤訳ではないかと勘違いをする恐れがあります。そのため、前もって仏歴というものがあるということを理解することが大切です。
また、タイでは西暦を使用しますが、日本の元号は使用されません。翻訳を依頼する文書で元号を使用している場合は、西暦に修正しておくとスムーズです。
地域による方言の違いにも注意!
タイでは地域によって方言の違いがあり、翻訳を依頼する際にはターゲット地域の方言に翻訳した方が良い場合もあります。タイの代表的な4つの方言について解説します。
バンコク語
バンコク語はタイのバンコクで話されている方言です。首都圏で話されている言葉なので、方言の中では最も標準語に近いです。
バンコク語との違いはほとんどありませんが、発音やアクセントの使い方が異なります。バンコクが翻訳ターゲット地域の場合は、方言に関してはほとんど気にする必要はありません。
南タイ語
タイの南部、マレー半島部で話されている方言です。マレー語や中国語からの借用語が多く、標準語とは発音以外に語彙にも違いがあります。
例えば、「とても美味しい」を首都圏の言葉で表すと”อร่อยมาก”ですが、南地域では”หร่อยจังฮู้”となります。
北タイ語
タイの北部で話されている方言です。チェンマイ語とも呼ばれており、北地域の中にもさらに細かく方言が存在します。
かつてラーンナー王国があった場所のため、寺院などではラーンナー文字を使用した文書が残されています。現在ラーンナー文字は使用されていないため、翻訳する際に使用することもほとんどありません。
北部独特の表現があり、「とても美味しい」は”ลำเเต๊ ๆ “と表現します。
イサーン語
イサーン語はタイの東北であるイサーン地方で話されている方言です。イサーン語はラオスから影響を受けているため、ラオス語によく似た言語です。
イサーン語を使用するイサーン地方では、テレビなどでは標準語が使用されているため、ほとんどの人は標準語が理解できます。
東北も独特の表現があり、イサーン語で「とても美味しい」は”แซบหลาย”と表現します。
難易度が高いタイ語翻訳を翻訳会社に依頼しよう
当記事では翻訳目安料金や、翻訳時に気を付けたいことなどを解説しました。タイ語は改行位置などレイアウト上のトラブルも起きる翻訳難易度が高い言語なので、翻訳会社に依頼するのがおすすめです。
最後に、記事の内容を簡単に下記にまとめましたので、参考にしてください。
- 日本語からタイ語=1文字18円~
- タイ語から日本語=1文字16円~
- レイアウト上のトラブル(文字数、改行位置、フォント、行間)
- 契約書作成の場合は英文の場合も多い
- 翻訳後の仏歴表記に注意
- 4つの方言(バンコク語、南タイ語、北タイ語、イサーン語)
- タイの方言では発音や語彙、表現などが標準語とは異なる
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